とある真夏の昼下がり。

この日は日差しもきつくなく、
若干過ごしやすい一日であった。

日本橋で用を済ませたあと、
難波方面に向かって千日前通りを歩いていると一つの行列を発見した。

行列は今しがたでき始めたばかりの様子で、
ふいに時計に目をやると、午後の二時を過ぎたところであった。
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看板には「名代おはぎ」と書いてある。
店の名前は『玉製家』。


吸い込まれるように近づいて佇まいを観察。

格子戸やのれんが時代を感じさせる。

それもそのはず。
店の創業はなんと明治32年。
創業当時は難波の方に店舗を構え、
後に今の千日前に移転してきたそうだ。

「お は ぎ」
の三文字が脳内を支配しはじめた。
もう並ぶしかない。笑

店の中には4,5人だけが座れる長椅子があり、
注文を受けてから作られるおはぎの出来上がりを静かに待つのである。
一人が店から出るとまた一人が店内に案内されるというシステムで、
私の場合は実質30分ほどで買えた。
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シンプルな「おはぎ」の文字。
訴求力は抜群である。

紙袋に至っては、
「おはぎ  おはぎ  おはぎ おはぎ」
とアピール。
もちろん裏面も
「おはぎ  おはぎ……」

軽いゲシュタルト崩壊である。
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私が買ったは6個入り。
おはぎ自体が小ぶりな為、箱もコンパクトである。
6個入り以外にも、8.10.15個入りがあった。
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店のメニューは名代おはぎのみ。

種類は
「粒あん」

「こしあん」

「黄粉」

の三種類。

今回は「こしあん」と「黄粉」を選んだ。
賞味期限が非常に短く、黄粉に関しては当日中
こしあんは翌日の午前中となっている。
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「こしあん」

食べた瞬間、一番に感じたのは塩味。
そのあとに甘味。
噛みしめる度にもち米と餡の塩味が絡まってくる。
無駄なものは一切入っていないのがわかる。
餡は非常になめらか。
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「黄粉」

おはぎは断然こしあん派なのだが、
こちらの「黄粉」は絶品だった。
期待してなかった分、いい意味で期待を裏切られ美味しさ倍増である。
黄粉自体の味もいいし、砂糖の配分が気に入った。
餡が入っていないタイプのおはぎで、これほど満足感のあるおはぎは
今まで食べたことがない。
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リピート確定である。


(2016年 8月訪問)